交通事故大辞典はTEAM-8Aがプロデュースする、交通事故に対するワードの辞書と、交通事故の種類や損害の種類、よくある事故のパターンや事故時の対処法をまとめたものになっています。法曹業界・医療業界・保険業界・車やバイクを扱う業界の皆様、そして交通事故を処理する警察の皆様にも恥じない内容になるまで作りこみを致しました。あなたの味方の1ページになりますので是非ページ保存をお願い申し上げます。
アジャスター
保険に加入している人が事故に遭った場合に、保険会社から委託を受けて事故の調査や解決をサポートする専門職です。事故の状況や原因、損害の内容などを公正・中立な立場で把握し、分析して、適正な保険金の損害額の認定を行う専門家。
異議申立て
後遺障害等級認定で非該当とされたり、予想よりも低い等級が認定された場合や、被害者が納得出来ない場合に、異議を申し立てる事が出来る制度。
慰謝料
交通事故によって受けた精神的苦痛を補償するための損害賠償金です。入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類があります。
一括請求
加害者が任意保険に加入の場合、任意保険会社が支払わないとならない部分は、被害者が受けた損害の内自賠責保険で補てん出来なかった部分ですが、このような手続にすると被害者の方は自賠責保険会社と任意保険会社の両方に請求しなければならなくなります。
その様な時、被害者が両社に保険金請求をする手間を減らす為に任意保険会社が窓口となり、自賠責保険の支払分も一括して支払います。この事を一括請求と言います。
逸失利益・得べかりし利益
被害者が交通事故に遭った為に治療中に働く事が出来ず収入を失ったり、治療が完了しても後遺障害の為に十分稼働をする事が出来ず収入が減少したりし、本来であれば得られたはずの収入が得られなくなる事があり、事故に遭わなければ本来得られたであろう利益の事。
因果関係
加害者の行為が無ければ、被害者に損害が生じなかったと言える関係の事。
インピンジメント症候群
腱板断裂などのはっきりとした損傷を伴わずに肩の痛みを起こす疾患の一つで、肩のこすれや挟まりこみなどが原因になると考えられており、症状や検査、骨の形態などいくつかの所見を組み合わせる事で診断する事が出来ます。
運行供用者
自動車の運行を支配し、運行によって利益を得ている者を指します。自動車の所有者や使用者、運転者などが該当しレンタカーの営業主も運行供用者にあたる。
赤本基準
交通事故に基づく損害の考え方や、損害額算定の基準等が書かれた本のことを通常意味し、弁護士会が過去の判例を参考に基準額を算定したもので、弁護士基準、裁判所基準と言われる事もある。
青本
正式には交通事故損害額算定基準と言い、財団法人日弁連交通事故相談センター発行している物。表紙が青く弁護士の実務上、青本と呼ばれています。
アキレス腱反射テスト・ATR
足のアキレス腱をゴムハンマーで打診する事によって生じる反射を確認する事で、腰椎捻挫などで中枢神経の障害が疑われる場合に実施されることがあります。
反射が強い場合、脊髄や大脳などに障害が疑われ、反射が弱い場合や反射が無い場合は神経根や末梢神経に障害が疑われます。
握力検査
むち打ちなどで片方の手や腕に痺れや麻痺などの症状が認められる場合に実施される検査で、一般的な握力計で検査を行います。症状がない側の手よりも明らかに握力低下が認められる場合は神経障害が疑われます。
足クローヌステスト
腰椎捻挫などで中枢神経の障害が疑われる場合に行われる検査です。足関節を急激に背屈させる事で、足関節が震える様な反応が出るかどうかを確認します。足関節が震える様な反応は脊髄中枢神経障害が疑われます。
アドソンテスト
胸郭出口症候群の有無を調べる整形外科的な検査方法です。胸郭出口の鎖骨下動脈の拍動を調べる事で神経束の圧迫を調査します。特に斜角筋症候群の判定に適しています。
アルトログラフィー
関節造影検査とも呼ばれ、関節内に造影剤や空気を注入してレントゲンやCT撮影を行う検査です。レントゲンでは写らない関節内軟部組織の異常を診断出来き関節造影検査とも呼ばれます。
RSD
The Reflex Sympathetic Dystrophyの略で、日本語で反射性交感神経性ジストロフィーと言い、外傷後に交感神経が過剰に反応して慢性的な痛みや萎縮を引き起こす病気です。
RSD診断や治療は医師でもその判断が難しく、後遺障害の認定も立証が難しく、後遺障害認定の為には、RSDが疑われる場合は早い段階で専門医を探し、受診が推進されています。
WISC-Ⅲ検査・小児
WISC-Ⅲ(ウィスク・スリー)検査は、ウエクスラーが開発した知能検査の児童版で、5歳0ヶ月から16歳11ヶ月の子どもを対象として頭部外傷などで、高次脳機能障害が疑われる場合に実施されることがあります。
WAIS-Ⅲ検査・成人知能検査
WAIS-Ⅲ(ウェイス・スリー)は成人を対象とした知能検査です。頭部外傷などで、高次脳機能障害が疑われる場合に実施される。
16歳以上に適用できる代表的な成人用知能検査で、言語性IQと動作性IQおよび全検査IQなどを測定し、それぞれの結果をもとに高次脳機能紹介の程度を判断します。
WMS-R検査
WMS-Rウエクスラー記憶検査は、16歳〜74歳までの青年および成人の記憶の主な側面を評価する為の検査で、頭部外傷などで、高次脳機能障害が疑われる場合に実施される事がある検査です。
内払
保険会社が被害者の損害の額が未確定段階でも、ある程度の賠償金を先払してくれる仕組みです。
本来は損害額が確定してから請求出来るが分かり損害額を受け取れるのはその後になります。
運行供用者
運行支配と運行利益が帰属する者の事を言い、例えば自動車の所有権を持ち、その車をを使い通勤の為に運転している人は、これに該当します。
運行利益
自動車の使用により受ける利益の事を言い、例えばレンタカー会社や運転代行業者は料金を徴収するので運行利益があります。
しかしリース会社は運行利益には該当せず、実質的にユーザーが割賦販売で車を購入しているのと同等の為です。
SSEP検査・体性感覚誘発電位
頭部外傷や脊髄損傷などで手や足の麻痺が考えられる場合に行われる検査で感覚神経(末梢神経)に電気刺激をして誘発される電位を記録するものです。
MRI
magnetic resonance imagingの略で日本名は核磁気共鳴画像法と呼ばれる検査方法で、強力な磁石と電波を用いて体内の断面を画像化する検査です。
MEP検査・運動誘発電位
頭部外傷や脊髄損傷などで手や足の麻痺が考えられる場合に実施される事がある検査で、皮質運動野を磁気刺激する事により運動路を賦活し四肢の筋から筋電位を記録するものであり筋萎縮性側索硬化症などの運動ニューロン疾患における病状の評価に有用。
異常がある場合は末梢神経から脳幹や大脳皮質に至る神経路の機能障害が疑われます。
ADR
ADR(Alternative Dispute Resolution)とは裁判外紛争解決手続の事で裁判によらずに民事上の紛争を解決する方法です。仲裁や調停、あっせんなどが含まれます。
裁判は時間が費用がかかり解決まで時間がかかりますがADRはこのようなデメリットを避けて安価かつ迅速に解決を図るための手続です。
買い替え費用
事故時の車両価格から事故後の車両の売却代金を引いた差額の事です。事故車両にはスクラップ代の価値が残っている事が有りそれも引かれます。
外傷性
外部からの要因で傷害を負う場合を指し交通事故の衝撃により傷害を負う場合がそれにあたり、具体例として外傷性脳損傷、外傷性頸部症候群、外傷性椎間板ヘルニア、外傷性ストレス障害など、交通事故で外部からの衝撃によって受傷した場合があげられます。
外貌
頭や顔、首など、日常的に人の目に触れる部分の内、腕や足など以外の部分を言います。
外貌醜状
外貌に醜状が残った場合の後遺障害を言います。
カウザルギー
外傷や手術の後に傷は治癒しているのに痛みや痺れが続く場合を言いこの症状は疼痛性感覚異常の一つで神経損傷を伴う場合をカウザルギーと呼びます。
加害者請求
加害者が被害者に損害賠償を支払った後に自賠責保険会社に対して保険金を請求する事です。多くの場合は加害者本人による請求ではなく加害者の代わりに任意保険会社が請求する被害者請求パターンになります。。
下肢
股関節・ひざ関節・足関節の3大関節と足指を含めた部分の事を言い、後遺障害の等級認定は股関節とひざ関節、足関節の3つを下肢3大関節と呼びます。
下肢可動域検査
足の骨折などで股、膝、足首などの三大関節や足の指の可動域制限が考えられる場合に実施される事がある検査です。
下肢伸展挙上テスト・SLR
腰椎疾患や坐骨神経痛などによる下肢痛の有無を調べる検査です。ラセーグテストとも呼ばれます。
過失相殺
交通事故における過失相殺とは被害者にも過失が認められる場合に、その過失割合に応じて損害賠償額が減額されることです。民法第722条で定められています
双方に不注意があった場合に加害者が全ての賠償を負わされるのは公平とは言えず、被害者側にも不注意の度合いに合わせた相応の過失相殺がなされ損害賠償額が減額されると言う事です。
過失割合
相手がいる事故が起きた時にその事故における「自分の過失(責任)」と「相手の過失(責任)」を割合にしてあらわしたものを言います。
仮に加害者の過失が70%で被害者の過失が30%の場合は過失割合7:3と言います。被害者に生じた損害の額が1000万円であれば、加害者は700万円を賠償する事になります。
過剰診療
医学的にみて必要相当の範囲を超える治療の事で、交通事故による賠償金として認められる治療費は必要かつ相当な実費とされています。
医学的な必要性や合理性が否定されてしまう診療行為の場合、賠償が認められない事があります。
家事従事者
家族のために料理や洗濯、掃除などの家事労働を行う人のことを指し、典型例は専業・兼業主婦や主夫です。
家事従事者の場合でも休業損害や逸失利益が無いとはなりません。
可動域
関節を曲げたり伸ばしたり捻ったりなど、あらゆる方向に動かせる範囲です。関節可動域(Range of Motion:ROM)とも呼ばれます。
可動域は、角度で表現され、関節の柔軟性を示します。可動域が大きいほど関節は柔軟に動き、小さいほど動きが硬くなります。
仮渡金
交通事故の被害者が当面の治療費や生活費などにあてる為に加害者側の自賠責保険会社から請求出来るお金です。
仮渡金の請求は示談が成立する前に損害賠償金の一部を受け取れる制度で、損害が確定していなくても、被害者が責任を認めない場合でも請求出来ます。
カルテ
医療機関で患者の診療経過や検査結果などを記録した文書の事で診療記録とも呼ばれます。
法律では医師は患者を診療した場合に必ずカルテをつけなければならない事や、カルテを5年間は保管しないとならない義務がある等が定められています。
簡易生命表
日本人の死亡状況を仮定して各年齢の人の死亡確率や平均余命などを表した統計データで、厚生労働省が毎年作成・公表しています。
交通事故の被害時は、後遺障害や死亡事故による逸失利益を算定する為、簡易生命表の中にある平均余命が利用されます。
関節拘縮
関節が硬くなりその動きが制限される状態です。筋肉や靭帯、関節包などが縮み、コラーゲン線維が絡みつくことで伸びなくなります。
交通事故により関節がこれまでの様にに動かなくなり、可動域に制限が認められる場合は、後遺障害の認定の対象となります。
関節造影検査
関節内に造影剤や空気を注入して、関節の形状や異常を調べる検査で、レントゲン撮影やCT撮影を行う事で、関節の内部を詳細に観察する事が出来ます。
仮払金
交通事故の仮払金とは交通事故の被害者に対して、緊急に必要となる出費を補うために支払われる一時的な金銭です。
示談交渉や裁判手続きが完了してから保険会社から賠償金を受取る場合時間がかかる為、被害者は加害者の加入する自賠責保険会社に対し、一定の仮払金を支払うよう請求出来る。
間接損害
直接の損害とは別に被害者に直接生じた損害から派生した二次的な損害を指します。直接損害と区別して「特別損害」とも呼ばれます。
例えば交通事故によって企業の代表者や従業員が傷害を受け就労出来い場合に会社の売上が減少する事が考えられ、企業損害を受ける事になります。
既往症
過去に罹患したが現在は治癒している病気やケガのことです。既往歴とも呼ばれます。
交通事故被害に伴う損害賠償では被害者の方の既往症により後遺症などの損害が発生・拡大した場合に、加害者と被害者の方との間の損害の公平な分担と言う法制度があり、賠償金が減額される事もあります。
基礎収入
交通事故による休業損害や逸失利益を算定する際にその基礎となる収入の事を言い、総収入から公租公課や職業費、特別経費などの必要な出費を差し引いた金額となります。
事故前の収入額が平均賃金を下回っていた場合でも将来的に平均賃金程度の収入を得られる蓋然性を立証出来た場合には平均賃金額を基礎とする事もあります。
自営業の場合は原則としては確定申告の所得額で算定される事になります。
機能障害
身体の構造や生理的・心理的機能が喪失または異常を起こす事を言い、交通事故で手・足などの肢体が自由に動かせなくなった場合を上肢機能障害、下肢機能障害と言います。
視力・聴力が著しく低下した場合には目や耳の機能障害があり、思考・記憶・感情などに異常が認められる場合は脳の機能障害もあり、脳の機能障害の中には高次脳機能障害と呼ばれる深刻な症状もあります。
共同不法行為
複数の人が意図的または不注意な行為によって他人に損害を与えた場合に加害者全員が連帯して損害賠償の責任を負う事です。
筋萎縮検査
頸椎捻挫や腰椎捻挫などで手足に痺れや麻痺などの症状が生じた場合に実施される事があり、腕や脚の周径を測定する検査と神経学的検査などがあります。
症状がない側の手足に比べ細くなっている場合は神経障害が疑われます。
企業損害
交通事故や製品事故などの事故によって企業に生じた損害を指します。企業損害は間接損害や反射損害・固定損害とも呼ばれます。
休業損害
交通事故などによって仕事を休んだ為に収入が減った事に対する補償で、加害者が加入している自賠責保険や自動車保険から被害者に支払われます
休車損害
交通事故で営業用車両が損傷し修理や買い替えの為に使用出来なくなった期間に発生する営業損失で、営業車両が稼働していれば得られたであろう営業利益の喪失を言います。
原則としては緑ナンバーの営業車について発生します。
頸椎捻挫
正式には頚椎捻挫や外傷性頚部症候群などと呼ばれ、交通事故など強い衝撃により頭が揺さぶられることで首に負担がかかり痛みや不調が出るものです。
首の痛みなどの他、症状が強い時は頭痛や肩こり、吐き気、めまいなども発生します。
刑事記録
警察や検察、刑事裁判所が作成した刑事事件に関する書類で実況見分調書や供述調書、起訴状、裁判書などが含まれます。
軽度外傷性脳損傷
交通事故で頭を打ったり、頭が強く揺さぶられたりして脳に衝撃が伝わり、脳損傷が起こる状態で危険な状態ではないという意味で区別される脳損傷をさし、MTBI(mild traumatic brain injury)と呼ばれる事もあります。
軽度の麻痺
交通事故により脊髄の損傷を受けた場合に、四肢麻痺、対麻痺、片麻痺、単麻痺などの麻痺が残ってしまう事がありますが、障害のある部位の運動性や巧緻性が多少損なわれている状態です。
経年性
月日の経過とともに変化することを意味します。例えば交通事故の分野では経年性椎間板ヘルニアや頚椎の経年性変化などがあります。
頸部・胸腰部可動域検査
頸椎・胸腰椎圧迫骨折などで頸部・腰部の可動域の制限が疑われる場合に実施される事がある検査で可動域が正常値に比べて一定以上制限されている場合運動機能障害が疑われます。
欠損障害
交通事故により身体の一部が失われる事で後遺障害として認定される障害です。
健側
ケガや麻痺などの障害がなく、通常どおりに動かせる側を指し病気のない正常な側の事です。
腱反射
筋肉の腱をゴムハンマーで叩いて刺激を与えた時に筋肉が反射的に収縮する現象で交通事故で上肢や下肢に障害を負った場合その程度によって後遺障害の等級認定がなされます。
経済的全損
交通事故で車両が損傷した場合に修理費用が交通事故時の車両の価格をを上回る状態を指します。
この様な場合は修理費用を請求する事は出来ず交通事故当時の車両の価格と買替諸費用の合計額を請求出来るに留まります。
格落ち損・評価損
交通事故で乗車していた自動車が損壊し修理をしなければならなくなった際に生じる,事故当時の車両価格と修理後の車両価格との差額の事を言います。
軽傷・軽傷者
交通事故によって負傷し、1箇月(30日)未満の治療を要する場合(人)を言います。
交通事故証明書
警察が発行する書類で交通事故の発生日時・場所・当事者名、事故車の登録番号などが記載された文書で、自賠責保険の請求をするときなどに必要になり任意保険に入っていれば保険会社が契約者の代わりに取得してくれます。
交通事故紛争処理センター
交通事故の被害者と加害者、保険会社などの間で発生する紛争を解決する公益財団法人で、被害者の迅速な救済を目的として、法律相談や和解あっ旋、審査業務を無料で提供しています。
後遺障害
交通事故によって残った身体や精神の障害で労働能力の低下を伴い怪我の治療を続けてきたのに、一定の段階でそれ以上の治療効果が認められなくなった段階を症状固定と言い、症状固定後に残ってしまった症状を後遺障害と呼びます。
後遺障害診断書
交通事故で負った後遺症の症状や程度を記載した診断書で、正式名称は「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」で、後遺障害等級の認定を受ける為に必要です。
後遺障害の異議申立
交通事故による後遺障害の等級認定に納得が出来ない場合に再審査を求める手続きで、後遺障害の認定申請の異議申立が認められる為には、認定に必要な検査を受け異議申立書の中で前回の認定を覆すに足りる理由を立証していかなければなりません。
後遺障害の等級認定
交通事故や労災などによる後遺症の程度に応じて自賠責保険や労災保険の等級に認定する手続きで、認定された等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益などの補償を受ける事が出来ます。
後遺障害が自賠法施行令の定める第1級~第14級までの等級の内どの等級に該当するか、損害保険料率算出機構の内部組織である自賠責損害調査事務所が判定する事を言います。
高次脳機能障害
交通事故で脳に損傷を受けた事で、記憶や注意、社会的行動などの認知機能が低下した状態です。
高度の麻痺
障害のある上肢または下肢の運動性や支持性がほとんど失われ、基本的な動作ができない状態です。
骨萎縮
骨のミネラル成分である骨塩量が減少して骨密度が低下し、骨組織が局所的に減少し骨形成よりも骨吸収のほうが多い状態となり、骨量が減少する事で骨が縮んでしまう事を言います。
コース立方体テスト
頭部外傷などで、高次脳機能障害が疑われる場合に非言語性の能力を図るテストで、赤、白、青、黄の4色に塗り分けられた立方体を組み合わせて模様を作る非言語性の知能検査です。
サーモグラフィー検査
赤外線放射線温度カメラを用いて体表の温度を測定し、温度分布を画像にして可視化する検査です。
裁判所基準
交通事故の損害賠償額を算定する基準で弁護士会が過去の判例を参考に基準額を算定で弁護士基準や赤本基準とも呼ばれる事もあります。
市街地
道路にそって概ね500メ-トル以上にわたって住宅、事業所等が連立している状態で、その地域における建造物(敷地を含む。)の占める割合が80%になるいわゆる市街地的形態をなしている地域を言います。
自覚症状
患者自身が感じている症状の事で痛みや倦怠感、息切れ、めまい、食欲不振、しびれなど、さまざまな症状が含まれます。
時効
交通事故における時効とは損害賠償請求権が消滅する期限で、時効が経過すると損害賠償請求権を行使出来なくなります。
加害者に対する損害賠償請求権は事故の日から5年で、後遺障害については症状固定日から5年経つと、請求出来なくなります。
歯科補綴
交通事故などによって歯が欠けたり失われたりした場合に人工物で補う治療で、補綴物には入れ歯、ブリッジ、クラウン、インプラントなどがあります。
四肢麻痺
交通事故などにより脳や脊髄に損傷を受け神経系が障害を受ける事で、両手両足が自由に動かせなくなる状態です。
事前認定
交通事故の被害者が後遺障害の診断書を任意保険会社に提出して、後遺障害の等級認定を依頼する方法です。
自損事故
運転者が単独で起こした交通事故で、相手方がいない事故を指します。単独事故とも呼ばれます。
相手がいない状態で電柱に衝突し怪我をしてしまった場合や急カーブを曲がりきれずに崖から転落した場合などが代表例です。
示談
交通事故の示談とは加害者と被害者が話し合って損害賠償額や過失割合などを決める事で一般的には裁判所の手続きを利用せず、民事上の解決方法として行われます。
民法上では和解とも言います。
示談書
交通事故の示談書とは交通事故の被害者と加害者が示談で取り決めた内容を記載した書類です。示談書は裁判などの訴訟をせずに当事者間で解決する為の手段として作成されます。
示談屋・事件屋
弁護士資格を持たない者が交通事故の示談交渉を代行して報酬を得る者を指します。弁護士法第72条で禁止されている非弁行為に該当し、犯罪として処罰される可能性があります。
実況見分・調書
交通事故の実況見分とは警察が事故現場を検証して事故の状況や原因を把握する捜査状況書類です。事故の当事者や目撃者、警察官が立ち会い事故の状況を記録した実況見分調書を作成します。
膝蓋腱反射テスト・PTR
腰椎捻挫などで中枢神経の障害が疑われる場合、膝蓋腱をゴムハンマーで叩いて生じる反射を確認する検査です。神経根障害や脊髄損傷、末梢神経の障害の有無を調べる為に実施されます。
膝動揺性検査
膝の靱帯断裂などで膝の不安定性が疑われる場合に実施される事があり、膝関節の動揺性を評価する検査です。膝関節の動揺性には、前十字靭帯や内側側副靭帯などの損傷が原因となる場合があります。
視力検査
交通事故で視力に障害が生じた場合、頸椎捻挫や頭部外傷、眼球の外傷などで視力低下が疑われる場合に万国式試視力表を用いて実施されることがある検査です。
ジャクソンテスト
頚椎の神経根障害を調べる神経学的検査です。交通事故によるむちうちなどの症状を裏付ける検査としてよく用いられます。
車両保険
自動車保険の補償の一つで契約している車が事故や盗難などの被害にあった場合に修理費や買い替え費用などを補償する保険です。
自由診療
公的医療保険を使った診療ではない医療という意味で治療費は全額自己負担となります。
消炎鎮痛処置
湿布やマッサージ、電気治療などの器具を用いて、患部の消炎や鎮痛を目的とした処置で交通事故による怪我の治療の為に通院した時、病院から出される診療報酬明細に消炎鎮痛処置と記載される事があります。
上肢
肩関節・肘関節・手関節の3つの関節と手指を含めた部分で手から肩までの範囲を指します。
上肢可動域検査
上肢の関節がどれだけ動くのかを測定する検査で理学療法の評価の基本的な検査でROM(Range Of Motion)検査とも呼ばれます。
手の骨折などで三大関節(肩・肘・手首)や手の指の可動域制限が疑われる場合に実施される事がある検査です。
使用者責任
事業の為に他人を使用する者が被用者が第三者に損害を与えた場合に、その損害を賠償する責任を負うことです。民法第715条に規定されています。
症状固定
怪我や病気の症状が治療を続けても改善が見込めない状態を指します。
上腕三頭筋腱反射テスト・TTR
上腕三頭筋をゴムンマーで叩いて前腕が伸展するかどうかを確認する検査で、脊髄(頚髄)の損傷や、運動系の障害、末梢神経の障害の有無を判断する為に用いられます。
上腕二頭筋腱反射テスト・BTR
上腕二頭筋を刺激して前腕が屈曲するかどうかを調べる検査で、神経学的検査の一種でむち打ち損傷の神経症状を証明する手段として用いられます。
神経症状
神経系の一部または全体が侵された結果起こる症状で、神経系は身体の多くの機能を制御している為、症状は多岐に渡ります。
深部腱反射
筋肉の付け根である腱を叩いた際に起こる筋肉の収縮反応です。神経学的検査法の一種で中枢神経系の機能を評価する上で重要な役割を果たします。
診療報酬明細書
医療機関が健康保険組合などの保険者に対して医療費を請求するために作成する書類で、診療報酬明細書には患者に対する診療や薬の処方内容、保険点数などが記載されています。患者は、診療報酬明細書から治療内容や費用について詳細に知る事が出来ます。
レセプトとも呼ばれます。
診療録
医師や歯科医師が患者の診療内容や経過を記録した文書で一般的にカルテと呼ばれているものです。診療報酬請求の根拠や、医療行為の内容を証明する重要な書類として用いられます。
CRPS
日本語では複合性局所疼痛症候群と呼ばれ、外傷を負った患部やそれに近い身体の部位に神経症状が顕れるものです。
ズデック骨萎縮
打撲や骨折などの外傷によって骨が急性に萎縮する症状です。ドイツの外科医ズディックが1900年に発表しました。
検査方法はレントゲン撮影によって判断され、正常な骨は白く写りますがカルシウムが抜けた骨萎縮の状態は骨に斑点状の黒い部分があり黒っぽく写ります。
ストレートネック
首の骨が本来のカーブを失い真っすぐになってしまう状態で、うつむいた姿勢を長時間続ける事で首の筋肉に負担がかかり、首や肩に痛みやこりが生じます。
正常な人の首の前湾角度は30度から40度ですが、ストレートネックとされる人の前湾角度は30度以下の状態になります。
スパーリングテスト
頚椎から上肢に伸びている神経根に障害があるかどうかを調べる神経学的検査で、交通事故によるむち打ちなどの症状を裏付ける検査としてよく用いられます。
生活費控除率
死亡事故などの逸失利益を算出する際に被害者が生存していれば支払っていた生活費を控除する割合です。
成年後見制度
交通事故によって重度の高次脳機能障害や遷延性意識障害などの後遺障害を負った影響で判断能力が不十分な人を保護・支援する制度です。本人の意思を尊重しながら、生活や財産を守る為に家庭裁判所が選任した成年後見人が法律行為を行います。
政府保障事業
自動車損害賠償保障法に基づいて、国土交通省が自動車事故の被害者を救済する為に損害を補償する制度です。自賠責保険や共済に加入していない自動車による事故やひき逃げ事故の被害者を対象としています。
生理的前湾消失
首の骨である頸椎の正常なカーブが消失した状態を指しストレートネックとも呼ばれます。
脊髄造影検査
脊髄や脊柱管内の神経組織の圧迫や狭窄の状態を調べる検査で、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの脊椎脊髄病疾患の診断や今後の治療方針を決定する為に実施されます。
脊髄損傷
交通事故の衝撃などによって脊髄の断裂などが生じて、体の全部や一部に麻痺が生じるという障害です。
脊髄は脳と接続しており脳幹を通じて伝達された情報や指令を体の各部に伝える役割を担っています。
遷延性意識障害
いわゆる植物状態の事を言い脳死とは異なります。交通事故の後遺障害の中で重篤な後遺障害の一つで被害者の方だけではなく、介護を行うご家族にも多大な苦痛や負担が伴う事になります。
線状痕
切創や手術などの際に皮膚が切れて線状に傷跡が残った事で交通事故や手術などの後遺障害として認定される場合があります。
全損
交通事故によって車両が著しく損傷し、修理が不可能な状態、または修理費が時価額を上回る状態を指します。
物理的全損は事故により車両が著しく損傷し、走行も修理も不可能な状態で、経済的全損は車両の修理費用が時価額を超えてしまう状態となります。
30日以内死者
交通事故発生日を初日とし30日以内に亡くなった人を言います。
30日死者
交通事故によって発生から24時間経過後30日以内に亡くなった人を言います。
事故類型
事故を当事者の種類や行動、衝突地点などの要素によって分類したものです。
状態
当事者の事故当時の状態(自動車運転中、自動車同乗中、歩行中等)を言います。また「乗車(用)中」とは、運転中と同乗中の合計を言います。
死亡慰謝料
交通事故などで被害者が亡くなった事により、被害者や遺族が受ける精神的苦痛に対する損害賠償です。
死亡慰謝料の金額は死亡した人が独身か既婚かも関わり年齢などの事情により算定されるのが一般的です。
死亡逸失利益
交通事故などで被害者が亡くなった場合に被害者が将来受け取る事が出来たはずの収入などの利益を指します。遺族が加害者に対して請求できる損害賠償金の一種です。
自賠責保険
交通事故の加害者から被害者への損害賠償を補填する保険です。自動車やバイクを運転する場合は法律で加入が義務付けられています。
支払われる保険金額の上限は死亡につき3,000万円、後遺障害につき等級に応じて75万円から4,000万円で傷害につき120万円とされ自動車損害賠償責任保険と言います。
実況見分調書
警察官が事故現場を検証して作成する書類です。事故の状況や事故態様を記録した客観的な資料で刑事裁判や示談交渉、民事裁判などで重要な証拠となります。
人身事故
事故当事者が怪我を負ってしまった交通事故の事を言い、刑事事件として警察などの捜査機関が実況見分などの詳細な捜査を行う事になり、行政処分として減点や免許停止などの対象にもなります。
人身傷害補償特約
運転者や同乗者が事故により死傷された場合に補償される特約で、治療費・休業損害・精神的損害・逸失利益などの実際の損害に対し損害額基準に従い保険金額を限度に保険金が支払われます。
葬儀関係費
死亡事故の為に発生した通夜・告別式・裁断・埋葬などの費用を総称して葬儀関係費と言います。
葬儀費用
交通事故で被害者が亡くなった場合、葬儀費用は加害者に対して損害賠償として請求する事が出来ます。葬儀費用には葬式にかかる費用やその前後に行われる儀式の費用が含まれます。
自賠責保険の基準では100万円の賠償が認められ、裁判所基準では原則として150万円が上限となります。
死亡・死者
交通事故における死亡とは、交通事故によって発生から24時間以内に亡くなった人を指します。
重傷・重傷者
交通事故によって負傷し1箇月(30日)以上の治療を要する場合(人)を言います。
損益相殺
通事故によって損害を被った被害者が、同一の原因で利益を得た場合にその利益を損害賠償金から差し引く制度です。損害賠償金の二重取りを防ぐことを目的としています。
損害賠償
交通事故によって被害者が受けた損害を、加害者に対して補償してもらう事です。
訴訟
交通事故によって生じた損害賠償問題を解決する為に、裁判所に提起する民事裁判です。
就労可能年数
事故や病気などにより労働能力が喪失した被害者が、死亡せずに生存していた場合にあと何年働く事が出来たであろう年数を指します。労働能力喪失期間とも呼ばれます。
就労可能年数は、死亡による逸失利益や後遺障害逸失利益を算定する際に使用されます。
消極損害
交通事故などの不法行為によって被害者が将来得られるはずだった利益が失われた事による損害で、休業損害や後遺障害逸失利益などが該当します。
消極損害と事故によって生じた支出である積極損害を合わせて財産的損害と呼び、これらに精神的損害である慰謝料を加えたものが損害賠償額となります。
人損
交通事故によって被害者が負傷や死亡した場合の損害を指します。人損は、財産的損害と精神的損害に分類されます。
積極損害
交通事故によって被害者が実際に支払わなければならない損害を指します。
全損
交通事故によって車両が著しく損傷し修理が不可能な状態、または修理費が時価額を上回る状態を指します。
素因減額
交通事故の被害者が事故前から有していた身体的または精神的な要因が損害の発生や拡大に寄与した場合に、損害賠償額を減額する事を言います。
素因減額には、心因的要因と身体的素因の2種類があります。
相当因果関係
交通事故と損害の間に合理的な関連性がある事を指します。交通事故の被害者が加害者に対して損害賠償請求出来るのはこの相当因果関係が認められる範囲に限られます。
相当因果関係の判断は個々の事案ごとに具体的な事情を考慮して行われます。
素因による減額
被害者がもともと有していた身体的・精神的な要因が事故の損害に寄与したと認められる場合に、損害賠償金から減額するものです。
相続人
交通事故で被害者が亡くなった場合、被害者の相続人が損害賠償請求権を相続し加害者に対して損害賠償を請求します。相続人は被害者の配偶者や子、直系尊属など、民法で定められた法定相続人です。
組織陥没
交通事故で皮膚や組織が欠損したり骨の欠損や手術によって組織がくぼんだりした状態を指し、組織陥没が生じた場合、醜状障害に該当し、後遺障害として認定される可能性があります。
損害保険料率算出機構
交通事故に関する損害調査や保険料率の算出などを行う非営利の民間法人で、自賠責保険の損害調査などを行う団体です。
第1当事者
最初に交通事故に関与した車両や列車の運転者又は歩行者の内、当該交通事故における過失が重い者を言い、また過失が同程度の場合には人身損傷程度が軽い者を言います。
第三者行為災害届
交通事故などの第三者行為による負傷で労災保険や健康保険の給付を受けようとする場合に提出する書類です。
書式は労働基準監督署から入手出来、提出先は被害者が勤めている事業所を管轄する労働基準監督署になります。
第三者による傷病届
交通事故などの第三者の行為によって怪我をした場合に保険者へ提出する書類です。
交通事故による治療費は本来加害者が負担すべきものですが健康保険などを使って治療を受ける事も出来、提出先は事業所の全国健康保険協会および健康保険組合です。
代車使用料
修理や買い替えまでに必要な期間に車両が使用出来ない為に必要となる代車の費用です。
代車は事故車と同程度の物が認められるのが原則です。
大腿神経伸長テスト・FNS
腰椎捻挫などの交通事故による腰部神経症状を調べる検査で、大腿神経(L2、L3、L4の神経根)に障害があるかどうかを判断します。
うつ伏せになって股関節を伸ばした状態で膝を曲げ、太ももの前面に痛みを感じる場合は大腿神経の障害が疑われます。
他覚症状
医師が視診や触診、画像検査などによって客観的に捉えられる症状を指します。自覚症状とは被害者が自分自身で感じている症状の事を指します。
他覚症状は怪我の治療中や後遺障害の等級認定の際に重要になります。
単麻痺
交通事故によって上肢(手)または下肢(足)の1本に麻痺が残る後遺障害で、交通事故による脊髄損傷などにより単麻痺となる事があります。
知覚検査
皮膚に刺激を与えて触覚や痛覚に異常がないか調べる神経学的検査で、交通事故による後遺障害の認定において神経障害の原因を証明する上で重要な役割を果たします。
知覚障害
交通事故によって知覚障害が残る可能性があり、知覚障害には痛み以外の感覚異常や痛覚や触覚が感じられなくなる感覚脱失などがあります。
中間利息控除率
後遺障害を負った場合、逸失利益の賠償が認められ逸失利益の賠償金は長期間に渡って取得するはずであった利益を一時金で支払う事になり、将来の利益を早く取得した事で得られた利益を前もって控除する事が公平であると考えられる為、利息分を控除する事が認められこれを中間利息控除と呼びます。
控除の際に計算の基礎となる基準としてライプニッツ係数が用いられます。中間利息控除率は、2020年4月1日以降に発生した事故では年3%、それ以前は年5%です。
中心性脊髄損傷
交通事故などの衝撃で首が後ろに反り返る事で脊髄の中心部が損傷される傷病です。脊髄は脳と同じ中枢神経で一度損傷すると回復はほぼ困難とされています。
中等度の麻痺
上肢または下肢の運動性や支持性が相当程度失われ基本的な動作に大きな制限がある状態を指します。
調節力検査
交通事故による眼の調節機能障害の検査はアコモドポリレコーダーを用いて行わ、遠方と近方の視標にピントが合うまでの時間を測定し年齢別の調節力と比較する事で調節力の低下を診断します。
負傷した片方の眼を負傷していない方の眼との比較で調節力を判断し、両方の眼を負傷した場合は年齢別調節力値で判断し、急激な調節機能障害が生じた場合は眼球自体の損傷もしくは視神経損傷が疑われます。
中間利息控除
交通事故による損害賠償金の一種である逸失利益を算定する際に将来の利息による増額分を控除する事です。
治療費
交通事故によって負った怪我の治療にかかる費用です。加害者の過失による不法行為によって被害者に生じた損害の一部として加害者が支払うのが基本です。
治療関係費
交通事故による治療に要した費用で、診察料や検査料、入院費、投薬料、手術料、処置料などが含まれます。
代車使用料
交通事故で車が壊れた際に修理期間や車購入までの間に使用した代車の費用を損害として請求するものです。
調停
裁判所の調停委員が仲介して当事者同士で話し合い賠償問題を解決する手続きで、裁判に比べて簡易な手続きで費用も安く抑えられる為、交通事故の損害賠償をめぐるトラブルの解決に役立ちます。
調停は当事者の主張を裁判官と二名以上の調停委員が聞き双方が納得出来る妥協点を話し合いでまとめていく場です。
賃金センサス
厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」の結果をまとめた資料で交通事故の損害賠償額の計算に利用されます。
逸失利益の算定の場合などで給料の証明が出来ない場合や、無職者の場合に収入を確定させる為に使用する平均賃金。
対麻痺
交通事故によって脊髄や脳を損傷する事で両腕または両足が麻痺してしまう状態です。
通院交通費
交通事故で負傷した被害者が病院に通院するために支払った交通費を指します。加害者や加害者の保険会社に請求する事が出来ます。
原則としてバスや電車などの公共交通機関による料金が認められますが、傷病の程度や適当な公共交通機関がない場合にはタクシーも認められます。
通院慰謝料・傷害慰謝料
交通事故で怪我をした人が入院や通院を余儀なくされた事に対して支払われる慰謝料です。
基本的に通院期間を基準に算定されますが通院の日数や治療の状況などによって増減される事もあります。
低髄液圧症候群
交通事故などの強い衝撃で脳脊髄液が漏れ出し減少する事で起こる病気です。頭痛やめまい記憶障害などの症状が慢性的に表れます。
付添費
交通事故によって負傷した被害者が、1人で入通院や日常生活を送る事が難しい時に、家族などが付き添った場合に認められる費用です。
医師の判断や傷病の程度、被害者の年齢などが考慮され付添が必要な場合に賠償の対象となる。
T&Tオルファクトメータ
交通事故による嗅覚障害の程度を調べる検査キットで、嗅覚障害の後遺障害の等級認定を申請する際に使用されます。
急激な嗅覚障害が生じた場合は鼻自体の損傷もしくは臭覚神経損傷が疑われます。
TFCC損傷
交通事故などで手首に負荷がかかり手首の小指側にある三角線維軟骨複合体を損傷する怪我です。手首の安定性を保ち動きを適切に伝達する役割があります。
ギプスやテーピングなどで固定する保存療法を行いますが、症状に回復が見られない場合には手術が行われる場合もあります。
同意書
加害者側の保険会社から被害者に送付される書類で、個人情報取得や一括対応の同意などがあります。
交通事故後に相手方任意保険会社から記入するよう求められる書類です。
疼痛性感覚異常
交通事故による怪我の治療後も慢性的な痛みや腫れ、しびれなどの症状が続く後遺障害です。医学的には「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」と呼ばれます。
徒手筋力検査・MMT
交通事故による後遺障害の認定において筋力の低下を評価する検査です。神経障害によって筋力が低下する為その低下具合を調べます。
医師や理学療法士が患者の手足を引っ張り左右の手足の動きを比較し筋力を六段階に分けて評価し、異常がある場合は運動神経の障害が疑われます。
トレムナー反射テスト
交通事故などで中枢神経の障害が疑われる場合に実施される神経学的検査です。
医師や理学療法士が患者の中指を伸ばし、指先を弾き反応を確認し、親指が内側に曲がる場合は脊髄、錐体路などの中枢神経の障害が疑われます。
任意保険
交通事故の際に自賠責保険では補償されない部分を補償する保険です。
重大な人身事故の場合は自賠責保険で補償されている賠償額だけでは不足し、物損に対する賠償に適用されません。この様な損害を補償する為に任意で加入出来る保険商品が用意されており、それらを一般的に任意保険と呼んでいる。
脳外傷
交通事故などの外部からの衝撃によって脳にダメージを受ける事で、外傷性脳損傷(TBI)とも呼ばれます。
ノーカウント事故
自動車保険や自動車共済において事故件数にカウントされない事故を指します。事故を起こしても無事故扱いとなる為、翌年度の契約の等級は1等級上がります。
ノーカウント事故となる条件は保険会社によって異なります。
買替差額
交通事故時の車両価格と売却代金との差額を指し、車両が修理不能な場合や車体の本質的な部分に重大な損傷が生じた場合に請求出来ます。
バビンスキー反射テスト
交通事故などで腰椎捻挫や脊髄損傷などの中枢神経障害が疑われる場合に実施される反射テストです。
針筋電図
筋肉の電気活動を記録して筋力低下や筋肉の萎縮の原因を調べる検査です。交通事故によるむちうち症の診断にも用いられます。
頸椎捻挫、外傷性頸部症候群、腰椎捻挫などの症状が残った場合に後遺障害の有無を判断する検査として利用されます。
被害者請求
交通事故の被害者が加害者側の自賠責保険に直接損害賠償を請求する方法です。示談交渉が長引いている場合や加害者が誠意を持って対応していない場合などに利用されます。
瘢痕
交通事故で残る瘢痕とは擦り傷や切り傷、火傷などの怪我や手術によって肌に残る傷跡の事で、交通事故による瘢痕は後遺障害として認定される可能性があります。後遺障害の等級は1級から14級まであり等級が高いほど慰謝料や賠償金が高額になります。
半月板損傷
膝関節にある半月板が交通事故の衝撃で損傷する怪我で、膝関節の可動域制限や痛みやひっかかり感などの症状が現れます。
半月板は左右の膝に二枚あり断裂などにより一度損傷すると自然に治癒する事は望めません。
反射性交感神経ジストロフィー
交通事故などの外傷が原因で発症する激しい痛みで、外傷が治癒した後も交感神経が働き続ける事で疼痛や腫脹、関節拘縮などの後遺症が残ります。
RSD(The Reflex Sympathetic Dystrophy)とも呼ばれています。
判例タイムズ
交通事故の過失割合の基準を示す雑誌や書籍で、弁護士や裁判官などの法律の専門家向けに発行されています。一般の人も読む事が出来、交通事故の当事者やその家族が過失割合の目安を知る事が出来ます。
被害者
自損事故ではない相手方のある交通事故によって怪我を負った人を指します。自賠責保険では事故の過失割合にかかわらず怪我を負った人を「被害者」と呼びます。
被害者請求
交通事故の被害者が加害者側の自賠責保険に直接損害賠償を請求する方法で、示談交渉が長引いている場合や加害者が誠意を持って対応していない場合などに利用されます。
膝クローヌステスト
腰椎捻挫などで中枢神経の障害が疑われる場合に実施される検査で、膝のお皿をつかんで急激に下に押し下げ膝のお皿が上下に小刻みに震えるかどうかを確認します。
膝のお皿が上下に小刻みに震える様な反応が出る場合は脊髄中枢神経障害が疑われます。
ピッチ・マッチ検査
交通事故による耳鳴りの後遺障害を認定するために必要な検査で、耳鳴りの音の高さ(ピッチ)を特定し、耳鳴りの部位や難聴との関連を確認します。
ピッチ・マッチ検査では、オージオメータなどの聴力検査機器を用いて11種類の周波数(高さ)の音を聴き、耳鳴りに近い周波数を特定します。
PTSD
交通事故などの強い衝撃的な恐怖体験によって発症する精神疾患で、Post Traumatic Stress Disorderの略で日本語では心的外傷後ストレス障害と訳されます。
昼
日の出から日没までの間を言います。
評価損
事故によって損傷した自動車を修理した後の車両価格が事故前の価格を下回る場合に生じる損害で、修理しても外観や機能に欠陥が生じたり事故歴が残ったりする事で車両の価値が下落することが原因です。
不起訴処分
刑事処分の一つで検察官が起訴をせずに刑事裁判を経る事なく事件を終了させる処分です。
物損事故
交通事故で人の死傷がなく自動車や建物、標識などが損壊した事故です。
負傷・負傷者
重傷・重傷者と軽傷・軽傷者の合計を言います。
プルスルチアミン(P)・アリナミン静脈注射
交通事故による頭部や鼻の外傷などで嗅覚障害が疑われる場合に実施される検査です。
平均余命
ある年齢の人々が、その後何年生きられるかという期待値。生命表で計算されています。
併合
等級認定の基準となる10か所の体の部位、さらに機能ごとに分けた35のグループの中から2つ以上の別の後遺障害が残った場合に1つの等級に定める事を言います。
ヘススクリーンテスト
交通事故による眼球の運動障害である複視の有無を確認する検査です。眼球の運動機能に関する後遺障害の等級を判定する際に用いられます。
ヘススクリーンテストではヘスコージメーターと呼ばれる機器を用いて、赤緑ガラスで指標を見たときの片眼の赤像ともう片方の目の緑像から、両目の位置ずれを評価します。患側の像が健側の像よりも水平方向または垂直方向の目盛で5度以上離れた位置にあることが確認できれば複視と判定されます。
交通事故により眼球を支配する神経や外眼筋が損傷すると、眼球の運動が制限され、視野が狭くなるなどの障害が生じることがあります。
後遺障害の認定を受けるには、適切な後遺障害診断書を作成してもらうことが重要です。
ヘルニア
交通事故などで強い衝撃によって椎間板ヘルニアを発症する事があります。椎間板ヘルニアは骨と骨の間にある椎間板が本来の位置から飛び出して、近くの神経を圧迫する事で痛みが生じる症状です。
べンダーゲシュタルトテスト
頭部外傷などで高次脳機能障害が疑われる場合に脳器質性障害のパターンを把握する心理学テストです。交通事故後に高次脳機能障害が疑われる場合にも実施される事があります。
片麻痺
交通事故による片麻痺とは脳や脊髄などの損傷によって左右どちらかの半身(右手と右足、または左手と左足)に麻痺が残る後遺障害です。
弁護士基準
交通事故の慰謝料を算定する際に用いられる基準で裁判基準とも呼ばれます。過去の裁判例を踏まえており、最も高額な慰謝料を求める事が出来るる手段の一つです。
赤本基準と言われることもあります。
弁護士費用補償特約
自動車事故や日常生活の事故で被害者になった場合に弁護士に依頼する費用を補償する特約です。
限度額が300万円という内容が一般的です。
補装具
障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間にわたり継続して使用されるもの、その他の厚生労働省令で定める基準に該当するものとして、義肢、装具、車椅子その他の厚生労働大臣が定めるものを言います。
交通事故で体の一部やその機能が失われた為に補装具を使用する必要が生じた場合に相当な範囲で補装具を購入する為の費用が損害賠償の対象として認められます。
ホフマン反射テスト
中指の爪を上から下へ弾いて母指の屈曲反射を調べ、中枢神経の障害を疑う検査で、交通事故によるむち打ち(頸椎捻挫)などで神経障害が疑われる場合に実施され事があります。
むち打ち
交通事故などで首が鞭のようにしなる事で起こる首の捻挫や外傷です。正式には「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」と呼ばれます。
ミエログラフィー
交通事故による脊髄の圧迫や狭窄を調べる脊髄造影検査で、交通事故による外傷性の椎間板ヘルニアなどの傷害を負った場合、後遺障害の有無を調べる為に行われます。
無保険車傷害保険
無保険車や補償内容が不十分な自動車との事故で被保険者や同乗者が死亡または後遺障害を負った場合に保険金が支払われる保険です。
免責証書
交通事故の解決内容を記した示談書の一種で、被害者側が加害者に対して損害賠償請求権を行使しない事を約束する書類で、この様な書面の事を示談書、和解書、合意書と言います。
約款
保険契約の内容を定めたもので交通事故に関する保険の約款では、保険会社が事故による損害賠償をどのように対応するかなどが記載されています。
普通約款とそれらを追加・補充する特別約款があります。例えば弁護士費用特約は特別約款に記載されています。
遊休車
交通事故で営業車両が稼働できなくなった際に、代替として使用できる予備の車両で、物的損害の一つである休車損害を算定する場面で用います。
夜
日没から日の出までの間を言います。
ライプニッツ方式
交通事故による後遺障害や死亡の逸失利益を算出する際に中間利息を控除する方法です。ライプニッツ係数(中間利息控除係数)と呼ばれる数値を用いて、将来発生する損害を現在価値に換算します。
亡くなった被害者が年収500万円で勤務可能年数が20年の場合500万円×20年で1億円稼げた事になり、逸失金額は1億円となりますが、1億円分を稼ぐのは20年後となります。
20年間の利息分を考慮すると今1億円支払うと利息分を払い過ぎてしまうので一括で支払われる金額は1億円より少なくなります。
ラウドネス・バランス検査
交通事故による耳鳴りの後遺障害の認定に用いられる検査で耳鳴りの大きさを測定する検査です。
耳鳴りが常に続く場合は後遺障害として認定される事があります。
レセプト
診療報酬明細書の事です。保険診療にかかった医療費の明細を記載した書類で交通事故の治療費や休業損害、入通院慰謝料などを算定する際に必要となります。
レッドブック
有限会社オートガイドが発行する「オートガイド自動車価格月報」の通称で、交通事故の賠償実務において中古車の時価を算定する際に用いられる資料です。
労働能力喪失期間
交通事故で後遺障害を負った被害者が労働能力を失った期間を指します。
労災保険
労働者が業務や通勤中に交通事故に遭った場合にその負傷や障害、死亡に対して必要な保険給付を行う制度です。
労働能力喪失率
交通事故などの事故によって後遺症が残った場合に労働能力がどの程度失われたかを示す割合です。後遺障害逸失利益の算定に用いられます。
労働能力喪失率は、後遺障害の等級や被害者の職業、年齢、性別、障害の部位や程度などによって決まります。
ろ紙ディスク法の最高濃度液検査
交通事故による味覚障害の程度や障害箇所を調べる検査で、甘味、塩味、酸味、苦味の4つの基本味質のついたろ紙を舌の上に置いて、味を感じるかどうかを調べます。
和解
当事者双方が譲歩して民事上の紛争を解決することを指し、裁判の途中で裁判所から提示される和解案を受け入れる事で裁判を終わらせる事が出来ます。
ワルテンベルグ徴候テスト
交通事故による中枢神経の障害を調べる検査で、親指以外の4本の指を曲げて検査者と引っ張り合い、親指が内側に曲がるかを確認します。親指が内側に曲がると「陽性」と判定され、錐体路障害が疑われます。
腕橈骨筋反射テスト
交通事故によるむち打ち損傷の神経症状を調べる検査で、腕橈骨筋の腱をゴムハンマーで叩いて肘関節が屈曲するかどうかを確認します。
反射が強い場合は脊髄や大脳に障害、反射が弱い場合や反射がない場合は神経根などの末梢神経の異常が疑われます。
①人身事故
②物損事故
人身事故は人の生命や身体に被害が生じた事故、物損事故は物にのみ被害が生じた事故を指します。
人身事故
・交通事故により人がケガを負ったり、死亡したりした場合の事故。
・運転手だけでなく同乗者も対象となる。
・刑事罰が適用される可能性があり、加害者の免許の点数が加算される。
・慰謝料などの賠償金が高額になる傾向がある。
・損害賠償請求権の消滅時効は損害および加害者を知った時から5年。
物損事故
・交通事故により車や建物などが損傷したものの、人が亡くなった、ケガをしたということがない事故。
・刑事罰が適用される場面は限定的。
・加害者の免許の点数は加算されない。
・破損車両の修理代だけで済む場合がほとんど。
・損害賠償請求権の消滅時効は損害および加害者を知った時から3年・
人身事故と物損事故の判断は、警察が現場の状況や関係者の証言をもとに行います。
交通事故でケガをした可能性が少しでもある場合は、迷わず人身事故として警察に届け出ましょう。
①人身損害
②物的損害
人身損害
・怪我や後遺障害など、人の生命や身体にかかわる損害。
・身体的・精神的苦痛に対する慰謝料。
その他、治療費・通院交通費・装具・器具購入費・付添費用・介護費用・入院雑費・休業損害・入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益・死亡慰謝料・死亡逸失利益・葬儀費用など多数あります。
物的損害
・車や建物などの物に対する損害。
・壊れた物の修理代や評価損(欠陥が生じたことによる物の価値の低下)、買い替え代金など。
その他、修理費または買替差額・代車使用料・評価損・休車損害・登録手続関係費・レッカー代・事故車の保管料・積み荷の損害・壁の修理費用など多数あります。
下記によくある事故パターンをまとめており、上記から発生が多い事故を記載しておりますので、特に気を付ける事項として意識下さい。
・安全不確認
・脇見運転
・動静不注視
・漫然運転
・交差点安全進行
・安全運転義務-運転操作不適
・一時不停止
・信号無視
・歩行者妨害等
・優先通行妨害
①即時警察へ連絡。
②事故の状況を写真を撮り事故現場や怪我・車両の損傷部分などを記録。
③加害者の氏名や住所を免許証を見て控える。
④保険会社へ連絡。
⑤警察の事情聴取や取調べを受ける。
⑥病院で診察し治療を受ける。
⑦後遺障害等級の認定を受ける。
⑧損害賠償請求を進める。